「大好きなSTU48と皆さんに恩返しができるよう活動してまいりますので、最後までよろしくお願いします」——2026年2月10日のステージ上で、石田千穂はそう言って深々と頭を下げた。
STU48の1期生・石田千穂の卒業コンサートが、いよいよ5月31日(日)に迫っている。会場は東京・Kanadevia Hall(旧TOKYO DOME CITY HALL)。15歳でSTU48に加入してから9年間、デビューシングル「暗闇」から最新13thシングルまで全13作で選抜入りし、計3作でセンターを務めた——そんな「STU48の中心」が卒業する。
SNSでは「STUの時代が変わる」という声が広がっている。その言葉が意味するものは何か。石田千穂という存在の9年間と、卒業コンサートの全容を整理する。
石田千穂とはどんなメンバーだったのか
石田千穂は2002年3月17日生まれ、広島県出身。2017年3月、STU48第1期生オーディションに合格し、同年3月31日に結成されたSTU48に15歳で加入した。
アイドルを目指したきっかけはAKB48への憧れだ。板野友美を一推しとし、小学3年生のとき広島で開催された握手会にも参加した。「地元にAKB48の姉妹グループができた」という報せを聞いたとき、「これは自分のチャンスだ」と感じてオーディションに挑んだという。
加入当初、石田は初のオリジナル曲「瀬戸内の声」では非選抜、デビューシングル「暗闇」では最後列からのスタートだった。それが全13作の全選抜・3作のセンターという軌跡へ変わっていく——その過程こそが、石田千穂という存在の本質だ。
全13作・全選抜という唯一無二の記録
STU48は2018年1月のデビューシングル「暗闇」から2026年3月の13thシングル「好きすぎて泣く」まで、13作のシングルをリリースしてきた。石田千穂はその全てで選抜メンバーとして参加している。
センターを務めた3作はそれぞれ鮮明だ。2021年2月の6thシングル「独り言で語るくらいなら」で初の単独センター。2022年4月の8thシングル「花は誰のもの?」では瀧野由美子・中村舞とともにトライアングルセンターとして、広島・平和への想いを込めた楽曲を届けた。そして2023年3月の9thシングル「息をする心」で再び単独センターを務めた。
さらに2019年には憧れのAKB48 56thシングル「サステナブル」でシングル表題曲選抜メンバーにも選出された。「本当に夢のような経験でした。憧れのままのAKB48になれた気がして」と石田は振り返っている。
13thシングルには石田千穂のソロ曲「未来へ続く者よ」も収録された。不安や迷いを抱えながらも未来へ踏み出す決意を描いたこの楽曲のMVでは、初センター曲「独り言で語るくらいなら」の衣装を纏ったアイドルとしての自分が過去に別れを告げ、一人歩き出す石田の姿が映し出されている。9年間の集大成として作られたこの曲は、石田千穂という一人のアイドルの物語そのものだ。
石田千穂の卒業コメント全文
卒業発表時、石田千穂は公式サイトを通じて以下のコメントを発表した。
「本日SHOWCASE LIVEにて卒業を発表させていただきました。15歳から約9年間本当にお世話になりました。アイドルを目指すきっかけとなった大好きな48グループが地元にでき、1期生として携われたことは私の人生の中でかけがえのない出来事です。まだ幼く人生経験も少なかった私は、悩んで立ち止まってしまうこともありました。そんな時に応援してくださる皆さんのあたたかい言葉や熱い声援に何度も救われました。そしていつも支えてくださったスタッフの皆さん、メンバーのみんなにも心から感謝しています。心強いメンバーがたくさんいるので、この先のSTU48を私も一人のファンとして楽しみにしています。たくさんのアイドルがいる中で私を見つけてくれて、そして選んでくれて本当にありがとうございました。みんなと一緒に見てきた景色、掴んだ夢は私にとって一生の宝物です」
卒業コンサート・卒業公演の情報
■ 卒業コンサート(東京)
・公演タイトル:STU48 石田千穂卒業コンサート
・日程:2026年5月31日(日)
・会場:東京都・Kanadevia Hall(旧TOKYO DOME CITY HALL)
・開場/開演:17:00 / 18:00
・チケット:イープラス4次プレオーダー受付中(〜5月17日23:59まで)
■ 卒業公演(広島・最終活動日)
・日程:2026年6月7日(日)
・会場:広島県・広島県民文化センター 多目的ホール
・最終活動日:2026年6月7日(日)
📝 チケット情報はSTU48公式サイト(sp.stu48.com)およびイープラス(eplus.jp/stu48)で確認できる。
卒業後にやりたいこと——石田千穂の本音
インタビューで卒業後の夢を聞かれた石田は、こう答えている。「世界一周旅行したいです。今までできなかったことを一通り……金髪にしてみたいです!」。9年間のアイドル活動でできなかったことを思い切り楽しもうという、等身大の言葉だ。
また、演技の仕事にも興味があるとし、「これまでアイドルとして学べることは一通り学んできたと思うので、演技のお仕事のときはまだまだ学べてない部分をたくさん知れるし、成長のきっかけになるのでワクワクします」と語っている。
考察|「STUの時代が変わる」という言葉の意味
石田千穂の卒業を前に「STUの時代が変わる」という声が広がっている。その言葉が何を指しているのかを、少し掘り下げておきたい。
■ 「最後列」から「全選抜」へ——STU48の歴史そのものだった
石田千穂の軌跡は、STU48という船が航海してきた9年間と完全に重なっている。デビュー時の最後列という立ち位置から、全シングル選抜・AKB48選抜・センター3作という頂点へ——この成長の物語を最前列で見てきたファンにとって、石田の卒業はSTU48の「第一章の終わり」を意味する。
■ 1期生の存在が持つ「グループの記憶」としての重み
48グループにおいて1期生とは、グループの「原点」を体で知っている存在だ。どんな状況でも結成当時の空気感を持ち続けるメンバーが在籍しているかどうかは、グループの文化的な連続性に関わる。石田千穂の卒業で、STU48の現役メンバーに1期生がいなくなる——この事実の重さは、長くSTUを見てきたファンほど深く感じているはずだ。
■ 「次の時代」はすでに始まっている
ただ、石田千穂自身が「心強いメンバーがたくさんいるので、この先のSTU48を私も一人のファンとして楽しみにしています」と語っているように、STU48は止まらない。現キャプテンの岡田あずみを中心に、中村舞・信濃宙花・福田朱里・兵頭葵といった次世代のフロントメンバーたちがすでにグループを引っ張っている。「時代が変わる」というのは終わりではなく、新しい章の始まりの言葉だ。
5月31日の東京、そして6月7日の広島——石田千穂が9年間のすべてを出し尽くす最後のステージが、もうすぐそこまで来ている。


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